おごりたい衝動

ある人は言う、「それは才能だ」と。
ある人は言う、「それは努力だ」と。

そうやって、少なからず認めてくれる人がいるから、今こうやって音楽を続けられているのだけれど、そしてそれを自負して活動して構わないのだけれど、生きれば生きるほど、仕事がやってくればくるほど「おかげさま」の気持ちになる。

人はひとりでは生きられない。

例えば、僕の才能といえる部分にしても、それを伸ばしてくれた音楽だったり、本だったり、映画だったり、誰かの言葉だったり、そういう外部からのきっかけで開花することができている。

今も色んな人の影響を受けて生きているし、色んな人が仕事を紹介してくれるわけで、もちろん彼らは僕の力を認めてくれて誘ってくれているわけだけれど、「あぁ、僕がこのお金をもらえてるのは彼のおかげだな」と感じる。

直接、仕事を紹介してもらわなくても、何かヒントをくれる存在っていうのもいる。
「あの日、あの人に聞いた言葉のおかげで僕は今これができてるんだな」と、そんなふうに感じる。

「自分の力で得たもの」

そう言っても嘘ではないのだけれど、誰かの力と自分の力が合わさってできたというほうが正しい。

そんなわけで、ここのところ、「あぁ、このお金は彼が運んできてくれたものだから、まずは彼に返さなきゃな」って感じになる。

実際、自分ひとりが生きていくだけで精いっぱいだから、そうなかなかできないくて今は気持ちだけ。
でも、その気持ちをずっと持って生きてる。
いつか、と。

ここ数年、音楽業界だったり、ファンとアーティストの関係についてのコラムを書いてきて、色んなアーティストのファンの方と交流もできたおかげで、様々な視点から、アーティストというものだったり、ファンというものだったり、ビジネスというものだったりを見ることができた。

そんなふうに見ていると、ファンもまた、同じ感覚なのかなぁ、とも思う。
「あなたのおかげ」に対して、お金を払っているというか。

お金というと、汚い印象を持つ人も多いと思うけれど、それはきっと増えるとか減るとかそういう感覚を持つからで、「ありがとう」という形のないものをお金という形のあるもので表現できるという意味ではとても便利なツールだ。

そして、「ありがとう」は使っても減らないし、使って損した気分になることはない。

同様に、「ありがとう」をたくさんもらって、後ろめたさを感じる必要もないし、ただ喜んでもらえばいい。

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