崩壊していくマズローの5段階欲求

本当は【音楽よもやま話】のほうでバンドマンとファンのヒエラルキーとマズローの欲求5段階説について書こうとして、途中まで書いていたのだけれど、なかなか記事としてまとめるのが難しく、僕の中で整理する意味も込めて、ここで書いていこうと思う。

マズローの欲求5段階説とは、図にあるように、人間の欲求にはこういった階層があるという考え方だ。

「生理的欲求」は、生きていくための基本的・本能的な欲求(食欲、睡眠欲、性欲など)。この欲求がある程度充たされると次の階層「安全欲求」を求める。

「安全欲求」は、危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい(衣食住など)という欲求。

この「安全欲求」が充たされると、次の階層である「社会的欲求」(集団に属したり、仲間が欲しくなったり)を求めるようになる。この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなる。

ここまでの欲求は、外的に充たされたいという思いから出てくる欲求といわれている。

そして、次に「尊厳欲求(承認欲求)」(他者から認められたい、尊敬されたい)を求める。ここからは外的なモノではなく、内的な心を充たしたいという欲求だ。

「尊厳欲求」が充されてやっと、最後に「自己実現欲求」(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)が生まれてくる。

マズロー

通常、第一段階の「生理的欲求」が満たされると「安全欲求」を求め、「安全欲求」が満たされれると「社会的欲求」を求めるというふうに、段階を経ていくのだけれど、時代のせいか、この「社会的欲求」を満たさずに「尊厳欲求」を求めている人達が増えていると言われている。

「社会的欲求」は、「愛と帰属の欲求」などともいわれ、つまり、「自分はもともと価値のある存在である」「愛されている存在である」という自分を無条件に受け入れてくれる存在や経験がないままに、尊厳欲求(承認欲求)を求めてしまうということだ。

自分の存在がそれだけで価値ある人間だという自覚を持たずに、自分は何か特別な価値のある人間だと認めてもらいたい欲求が発生するから、満たされていない社会的欲求を埋める形で尊厳欲求(承認欲求)は増大する。

身近な尊厳欲求(承認欲求)を満たすものでいうと、SNSでフォロワーが増えることだったり、「いいね」を押してもらうもので、こんなにももろいものはない。
これが、公に活動する人間(特にアイドルが多いと思うが)だけでなく、一般の人にも多く見られる。

人間が求める欲求としては自然なことだけれど、社会的欲求が満たされないままに尊厳欲求(承認欲求)を求めるようになってしまうと、他者からの承認が得られなければ自分の存在意義を確認できない。「私って何の価値もない人間」になってしまう。

仕事を失って貧乏になっても、肩書きを失って周りが興味を失っても、家族や友達、そういった仲間であれば、自分を見離したりせず、変わらず「自分」として接してくれる。

「あなたはただ、存在しているだけで価値がある」

そんな、当たり前の尊厳が現代社会では失われてきているように感じる。

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