クラウドファンディングとは?ミュージシャンなら学ぶべき未来型サービス

投げ銭、Web投げ銭といったサービス、定額制の音楽アプリ、動画配信など音楽の形が少しずつ変わってきていますが、そのひとつの可能性がクラウドファンディング。

まだまだ市場規模は日本では小さいかもしれませんが、確実にビジネスモデルとして成り立ってきています。
ただ、まだ危険性やデメリットについて懸念があるのも事実です。

ただ、クラウドファンディングについては、バンドマンをはじめ、これからのアーティスト達は勉強しておく必要があるべきサービスです。

クラウドファンディングってなに?

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クリエイター、起業家などが、製品・サービスの開発、アイデア実現などの「ある目的」「志」のために、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める行為のこと。

日本では「CAMPFIRE」や「READYFOR?」などが有名。

もうちょっと分かりやすくいうと、「こんなモノやサービスを作りたい」「世の中の問題を、 こんなふうに解決したい」といったアイデアやプロジェクトを持つ起案者が、インターネットを通じて世の中に呼びかけ、共感した人達から資金を集める行為です。

「こんな商品を作りたい」とか「貧しい国の子供たちを学校に通わせたい」とか「伝統産業を守りたい」とか、アイディアやプロジェクトの提案は本当に多種多様。
どんな形のものでも、それに賛同する方、良いと思った方がいればお金が自然と集まってくるわけです。

音楽におけるクラウドファンディング

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音楽業界では他の業界に比べて少し動きが遅かったですが、昨年くらいからアーティスト、イベンターなどが参加するようになってきました。

「CDが作りたいのでレコーディング費用をサポートしてください」
「地元で音楽フェスを開催したいので支援者を募ります」

など。

音楽が大好きな方達もたくさんいるので、一定数のファンがいたり、企画自体が面白いと思えるものであれば、やはりしっかり支援者が現れ、多くのプロジェクトが成功していっています。

1億総パトロン化時代にはならない懸念

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もともと、僕も以前から注目していたシステムであって、1億総パトロン化になることを理想としていました。
そして、それはおそらく、クラウドファンディングの存在意義、立ち上げた会社の目的であったと思います。

知らない方もいるかもしれませんが、そもそも、アーティストが独り立ちして食べていけるシステムというのは、ここ数十年くらいなもので、数百年以上もの間、パトロンによって支えられてきています。
クラシック音楽の時代は、王や教皇、資産家が音楽家を自分達のお抱えとして、その代わりに資金を援助していたのです。
画家や彫刻家といった芸術家もそうです。
それが、パトロネージュといってパトロンの語源です。

だからこそ、こういったシステムが現れたことに、僕自身も喜びと興味を持っていたのですが、想像していたものとはだいぶ違う流れになってきています。

新しいマーケットとしてのクラウドファンディング

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今、定着しつつあるのは、クラウドファンディングを商売として利用するという方法です

「3000円出資してくれた人には、○をプレゼント」
「10000円出資してくれた人には、△をプレゼント」
「50000円出資してくれた人には、□をプレゼント」

という形が、一番主流、一般の人にも多く知られている形だと思うのですが、これは言い換えれば、

「○は、3000で販売しています」
「△は、10000円で販売しています」
「□は、50000円で販売しています」

ということになっちゃうわけです。

本来は、そうはならないはずなのだが、そうなりつつある。
つまり、「出資してくれた人に対してのお礼」ではなく、「プレゼントを売ること自体が目的」に成りつつあるということです。

これは、資金を集める側だけならまだいいのですが、出資側の意識もそうなってしまいます。
例えば、プレゼントされる品が限定生産であれば、転売を見込んで出資するようになってくるかもしれません。

これでは、「パトロン」としての純粋な資金援助の関係は成立しないでしょう。

音楽専門のクラウドファンディングも現れてきた

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音楽系のクラウドファンディングだけを扱う「muevo(ミュエボ)」というサイトも2015年あたりから参入して、動きが大きくなってきています。

僕も仕事関係で相談を受けたこともありますし、すでに多くのミュージシャンがmuevoでプロジェクトを掲げ、成功を収めています。

音楽専門のクラウドファンディングができるということは、音楽を仕事としているという身としては大変嬉しいことなのですが、まだまだクラウドファンディングの音楽部門ができただけという印象で、音楽専門だからこその特徴的なシステムが存在しないこと、後に詳しくお話しますが、購入型クラウドファンディングというところがひとつの不安の要素です。
もちろん、始まったばかりなので期待と不安といった感じで、これからどんどん良くなってくれることを祈っています。

アーティストがクラウドファンディングをすることへの懸念

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「こういう商品を作りたい」
「こういうお店を出したい」

という、一度限りの支援を募るものであれば、良いと思うのですが、

「CDを作りたい」
「MVを撮りたい」
「イベントをやりたい」

となると、また話が変わってきちゃうんですよね。

話題作りとしては良いと思うけど、もう一度同じ資金集めをするとなると、上に挙げたような「プレゼントを売ること自体が目的」に移行せざるを得なくなる。
CD作る度に、「資金だけください」じゃ何も目新しいものがないですからね。
それでは、ファンもどんどん支援しなくなっていってしまいます。

そんなふうに、クラウドファンディングはパトロンという支援制度ではなく、単純に新しいビジネスとして機能していくことになる。
僕はそんなふうに懸念しています。

アーティストがやるべきクラウドファンディング

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クラウドファンディングといっても、大きく分けて3つの形があります。

  • 寄付型:リターンなし
  • 金融型:金銭的なリターンを伴う
  • 購入型:金銭以外の物品や権利を購入

僕が懸念しているのは、この「購入型」。
そして、この購入型が有名な「CAMPFIRE」や「READYFOR?」の形態であって、一般的にクラウドファンディングとして一番認知されているわけです。

「金融型」というのは、簡単にいうと株のようなもので、利益に応じて配分をもらうという形。
個人株主、個人投資家の新しい形といったところでしょうか。

「寄付型」というのは、金銭的なリターンも物品、権利、サービスなどもリターンもない、純粋な応援の形。
リターンがあるとすれば、「活動報告」などの無償のリターンです。

金融型、寄付型であれば、アーティストとしての活動にプラスになる気がしますが、購入型に踏み込むのはアーティストは一度しっかりと自分のこれからの道を考えて、目先の利益に惑わされないようにしたほうが良い思います。

音楽事務所、レーベルは購入型に参入してくる

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のは、当然でしょう。
あくまでビジネスとして、リスナーを客にし、リスナーに商品を売るからです。

その流れを目にして、自主活動しているインディーズミュージシャンも同じ購入型のクラウドファンディングをはじめてしまうわけですが、メジャーや事務所などの会社には会社にあったやり方、インディーズにはインディーズにあったやり方があるわけですから、その辺をしっかり考えるべきだと思います。

インディペンデントは寄付型、金融型に参入すべき

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音楽関係のクラウドファンディングの参入も、すでに購入型が基盤となって浸透してきていますから、最初は苦しいと思うんですが、長い目で将来を見た時、こちらの形について考えていくべきだと思います。
少なくとも、こちらの形で挑戦したほうが後で痛い目を見る可能性は低いでしょう。

購入型という決断も悪いとは思わないけど、それは「今のファン数でやっていく」「これ以上ファンはいらない」という決意を持っているならです。
すでに食べていける分のファンを獲得できているなら、それもいいと思います。

ただ、クラウドファンディングをやって、さらに今よりもファンを増大していこうと考えているなら、相当のアイディアと努力が必要になってくると思います。

この先の未来、「音楽はタダになる」と僕は考えています。
つまり、リスナーにはお金を払う義務がなくなるということ。
代わりに、お金を払う権利を持つことになるでしょう。

制作費がファンで賄えるなら事務所、レーベルの存在意義はなくなっていきます。
宣伝だって、SNSなどを使ってファンがやってくれます。

例え楽曲そのものが無料になっても、飲食店だったり、CMだったり、いろんな場面でなくてはならない存在に変わりはないですから、音楽業界以外の会社とミュージシャンは提携して仕事することができるのです。

そんなふうに、これからアーティストは会社に雇われる縦の繋がりではなく、ファンや音楽業界以外の会社と横の繋がりを持って、それぞれ独立した環境で生きていける世界に変わっていくでしょう。

そういった、ファンもアーティストも、企業もみんなが嬉しい社会にするためにも、あなたがやろうとしているクラウドファンディングはビジネス主義的なものになっていないか、今一度考えてほしいと思います。

おすすめ書籍

タイトルからして面白そうですよね。
7年で売上70億円を超える急成長を遂げた会社の経営の根幹は、「パンクの哲学」だってお話です。
急成長のために「どうやってクラウドファンディングで20億円も集めたのか?」ってことが書いてあるんですが、もうひとつ「熱狂的なファンを世界中でどうやって獲得したのか?」っていうこの考え方こそが、この記事で伝えたかったことです。

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