ライブ現場に潜む危険ー暴走するファンと音楽ビジネスの現状

2016年、女性アイドル 冨田真由さんがファンに刺された事件、「小金井ストーカー刺傷事件」がありました。

ニュースを目にして、同じ公にアーティスト活動をしている身として色々考える部分が多く、その日のうちにこちらのカテゴリーで記事を書いたのだけど、改めて冷静に世間の反応など俯瞰してみた上でもう一度書きたいと思います。

この事件は「アイドル」として取り上げられましたが、実際は「シンガーソングライター」として活動されていましたし、こういった事件はバンドマンなどアーティスト業界、有名人、芸能人など公に活動している人間にとっては、知名度に関わらずいつでも起こりうる問題です。

アイドルか?シンガーソングライターか?

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ニュースのタイトルや記事で「アイドル」と書くのは、そりゃインパクト、アクセス数、反響度を考えたらそちらのほうが得だからそうするだろうとは思う。

実際には、昔アイドルとして活動してて、現在はギターを弾きながら自作曲を歌っていたらしく、「だからSSW(シンガーソングライター)だ」と主張している人達を見るけれど、それを冨田真由さんのファンが主張するならともかく、それ以外の人にとってはけっこうどうでもいい問題なわけです。

岩崎友宏という男が、「アイドルという存在」に対して、「シンガーソングライター」という存在に対して犯行に及んだわけではないから。
つまり、犯行の動機が「異性という存在」に対してあると感じられるという点に問題があるわけです。

増加するシンガーソングライター兼アイドル

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もしくは、アイドル兼シンガーソングライターと言ってもいいでしょう。

別に自称するのは勝手だけれど、自分で作詞作曲していないからアイドルなわけでもなければ、歌が上手ければシンガーというわけでもなく、その括りは難しいです。

一番注目すべきは、どんなファンが付いているか?だと思います。
当の本人達は知らないが、客観的に見ればそれが一番の判断基準だと。

どんなファンが付いているのか?が、ステージに立つ人間がアイドルなのかアーティストなのか一番分かりやすい。
これは、音楽業界的に見ても、リスナー的に見てもそうだと思います。

そう、当の本人は知らないが、周りからは意識的、無意識かはわからないが、そんな目で見られているわけです。

チェキは悪か?握手券は悪か?

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アイドル側からすると、これが悪だという意見もあるけど、バンドマン目線で見ると羨ましく安全なシステムのようにも思えるんですよね。

実際に売っているものは、写真でも肌の感触でもなく「会話する時間」だと思うからです。

バンド界隈では、何も買わずともファンがアーティストと交流する時間ができ、それは無制限。
だから、ファンに対しての平等性がなくなり、ファンの不満を買いやすい。
アーティストに対してもだし、スタッフに対してもだし、ファン同士のいがみ合いにもなりやすい。

ファンにライブ以外に過ごす時間を平等に与えるという点では、この「時間を売る」というシステムは大変有効なものに思えるんです。

ビッグアーティストで物販に立つことがない状態であれば、チェキや握手券はファンと接するタイミングを作るから危険ではあるけど、ライブハウス規模で活動するアーティストは基本的に自分達で物販をやるのが一般的なので、逆に危険性は減るでしょう。

事務所所属もフリーも関係ない

今回は、冨田真由さんがフリーで活動していたこともあり、スタッフの有無、スタッフの対応についても問題視されているが、このご時世、そこに期待を掛けても改善の希望はないです。

僕は大手の事務所に所属していた時期があるけれど、売れていないバンドに対しては別に毎回必ずスタッフがつくわけではないし、物販や機材の搬入、搬出も自分達で行います。

そして、何より問題なのは必ずしもスタッフがそういったプロではないということ。

ライブハウスとのやり取りに関しても、物販に関しても、正直自分達でやったほうが効率が良かったりします。

音楽が好きな人達は多いけれど、音楽業界はとことん落ち込んでいってます。
専門のスタッフをアーティストに充てられないし、できればそこに経費は掛けたくないんですよね。

最後は結局、運頼み

こんなこと言いたくないけど、ヤバい奴に好かれないことを祈るしかない。

アイドルオタク、ドルヲタだから~ってのは全く関係なくて、どのジャンルに置いても、必ず危険因子は潜んでいます。

包丁は肉や野菜を切るために作られているわけだし、それをありがたいものだと多くの人が信じているけれど、それで人を殺そうという発想をする人間が必ず出てくるわけです。

だけれど、「包丁をこの世から無くしましょう」とはならないですよね。

先程も言ったこのご時世、スタッフに頼ることなく、一人でなんでも(つまり、ここでは大きくファンとの距離、関係性を取ることが)できるようにならなくてはいけないのだけれど、やっぱり根本としては、ステージに立つ人間は上に挙げた包丁のようなもので、それを手にした人の人間性に委ねるしかないんです。

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