キャバ嬢化するアイドル、アイドル化するシンガーソングライター

バンドマン的にはアイドルのほうがファンとの関係性が安全に感じると以前記事で書きましたが、

プロインタビュアー、プロ書評家でありアイドル業界、地下アイドルにも詳しい吉田豪さんもこんなことを言っていました。

僕は音楽業界、バンド業界で生きている人間ですが、この話は事実でバンドマンやシンガーソングライターといったアーティストのホスト化、キャバ嬢化、アイドル化はどんどん進んでいて、それが自主活動をしていてマネージャーもいないような環境が多いですから、本当に危険な状態にあると思います。

バイト化するキャバ嬢

キャバ嬢3

バンドマンも一般サラリーマンと同じようにキャバクラ、ガールズバー、風俗など夜の街に繰り出すわけですが、僕も実際にそんな場に足を運んでみて色々と感じたことがあります。

「1時間6000円」
「指名料は別料金」
「さらにキャバ嬢が飲むお酒代も別料金」

これだけお金が掛かるのに、会話してみるとマニュアル的な接客のみ。
機転がきかず、会話や表情によるコミュニケーションには全然プロらしさを感じません。

昔からバイトとしてキャバ嬢をしている方は多いですが、バイト感覚で働いているのが目に見えて分かって、何も楽しめないことが多いです。
もっと高級なところに行けば接客も一流だとは思いますが、一般サラリーマン、一般社会人にとってはちょっとお高すぎる値段です。

僕もアーティスト活動をしていて、ライブでファンと接したり、テレビやラジオで話をさせてもらったりもありますから、そんなキャバクラ現場を体験して、

「オレのほうが、話が上手いし面白い」

と感じたわけです。

つまり、これって「アイドルのほうがちゃんと接客してる」ってことです。

キャバ嬢化するアイドル

アイドル2

アイドルならライブは3000円程度で済むし、チケット予約で別途指名料は取られないし、お酒代は自分の分だけでいい。
会話するのにチェキ代とか掛かるけど、何より会話が楽しいし、名前も覚えてくれるし、いつも笑顔でやさしい。

キャバ嬢だと明らかに人によって好意があるかないか見え見えだし、金を狙う匂いもするけれど、なんかアイドルだとオレに好意的に接してくれるし、「これ、もしかしてワンチャンあんじゃね?」とかんじさせてくれる場面もあります。

「恋愛禁止」とは謳っているけれど、実際業界内にいると、「あの子は彼氏がいる」なんて話も流れてくるし、一般人にも「裏ではきっと~」なんて認識も昔よりは強くなっています。

だから、キャバクラ通いしていたサラリーマン、ホスト通いしていたOLが、「こっちのほうが安いし質も高い」とアイドル業界に流れてくるわけです。

ですが、そんな光景を見てると、「あれ、これオレらバンドマンのほうがもっとお得な接客してるんじゃね?」と思うわけです。

そして、それにいち早く気づいたファンの方達が、今現在徐々にバンド、シンガーソングライター界隈に流れだしてきています。

アイドル化するシンガーソングライター

シンガー

アイドルはチェキ代とか掛かるし、会話する時間に制限があるのだけれど、バンドとかシンガーソングライターだったら会話するのにはお金かからないし、時間も無制限。
しかも、恋愛禁止じゃない。
めっちゃお得やん!

ということに気づいた人達は、バンドマン、シンガーソングライターといった人種に流れてきます。

バンドマン、シンガーソングライターは顔で売っているわけではないですが、イケメンや美人も多いですし、そういったアイドルから流れてくるファンの需要に関しては十分応えられるクオリティです。

ライブハウスなどであれば、物販スペースに出たとしても楽屋など逃げ場が用意されていますが、ソロで動くシンガーソングライターの場合、ライブバーのような小規模スペースでライブをすることが多く、楽屋が用意されていないケースが多いです。

そんな場合、イベントの開場からファンと同じスペースでずっと過ごすことになり、ステージに立つ前も立った後もファンに話しかけられる可能性が高まります。

ライブ後は会場をすぐ去ることもできますが、他の出演者や会場スタッフとコミュニケーションを取るために残るケースも多く、だけどファンと同じ場にいるのだからファンに話しかけられたら振り払うこともできず一緒に飲むことになったりするわけです。

一昔前であれば、アーティストに対してその辺の気遣いがあるファンが多かったですが、ここ数年アイドルから流れてきたファンによって、そのアーティストを立てる環境は崩れてきています。

彼らアイドルから流れてきたファンが求めるのは、話をしたり握手をしたりというコミュニケーションのサービスですから。

カリスマ性より親近感を求める現在のファン事情

シンガー3

どちらが良い悪いというわけではなく、時代的にそうなったというのが正しいでしょう。

実際、アーティストはファンと積極的にコミュニケーションを取るほうがライブの動員、物販の売上げに繋がるからそういう手法を取るようになってきているのだし、ファンのほうもコミュニケーションを取ろうとしないアーティストを「応援してあげてるのに失礼だ」と感じるよう世の中になってきました。

アーティストとファンのお互いが一昔前とは違う関係性に移り変わってきている時代ですが、その背景には質の低下したキャバ嬢、その役目を背負ったアイドル、さらにそのアイドルの役目を背負ったバンドマン、シンガーソングライターというような流れがありますから、まだまだ新しいアーティストの形、コミュニケーションの形を模索している状態です。

現在の不況が、ひとつのサービスに「安さと質」の両方を求めるようになったと言えばそれまでですが、音楽業界としては危険で歪んだ状態ですし、ひとつの着地点へ到達するにはもう少し時間が掛かりそうです。

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