なぜアイドルやバンドマンはすぐ体調不良になるのか?

ここ数年、「体調不良」による脱退、卒業が目立ってきている気がします。
簡単にまとめると、近年アーティスト活動の停止の理由が、解散→活動休止、音楽性の違い→体調不良に流れていっているような感じです。

解散、活動休止が理由はすでにテンプレート化していますが、

体調不良の理由や真相ってどのようなものなんでしょう?
この記事では、その辺の疑問について切り込んでいきます。

体調不良ってなに?

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「体調不良により、ライブ活動を休止」

なんて、バンドのHPやSNSで告知されることがあります。
最近では、アイドル業界が一番こういったケース多いですね。

たぶんそれを見た多くの人が「体調不良っていったいなんなの?」と感じているんじゃないでしょうか。

なんとも、漠然としてますよね。

何か具体的に病名を出してもらえれば理解もできるのですが、なんとも腑に落ちない。

それがファンの本音だと思いますが、なぜそんな腑に落ちない「体調不良」といった表現でアナウンスするのかというと、「具体的に説明しづらい」「具体的に説明しないほうが安全」だからです。

体調不良は精神不良

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人前で活動するアーティスト業界で、一番多い体調不良の理由は、精神疾患です。
SNSの普及によって、ファンとのコミュニケーションが増えたり、ネット上でのマナーの低下により、悩まされるバンドマン、アイドル、芸能人の方が増えています。

そんな環境下に置かれて、うつ病に陥ったり、ステージに立ったり、物販席に立つと過呼吸が起こってしまうパニックディスオーダー(パニック障害)を患ってしまうアーティストも急増しています。

本当に忙しくて、肉体的に体を壊してしまうケースももちろんありますが、そういった場合は「過労のため」とか「○○病」ときちんと伝えたほうがファンも安心するでしょうから、正直に伝えます。

ですが、精神疾患の場合、あまり良い印象をファンに与えませんから、漠然と「体調不良」と伝えたほうが、運営側としては安全なわけです。

表向きには、お客さんには気づかれないように接していますが、裏で苦しんでいるアーティストはあなたが思っている以上に多いです。

では、なぜそうなってしまうのか?について、もう少し詳しく見ていきましょう。

メンバー同士の不仲

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これも、「体調不良」つまり精神疾患に繋がるひとつのケースです。

バンドのような、複数のメンバーで活動する場合、ステージ上ではメンバーは平等の関係に見えるかもしれませんが、メンバー内にはヒエラルキーが存在しています。

例えば、個人が抱え持つファンの多さだったり、技術レベルの差だったり、作詞作曲をしているかどうかの差だったり、そういうところで立場関係が変わってきます。

メジャー業界だと、このヒエラルキーは顕著です。

特に日本の場合、ボーカルを主役として売り込みますから、雑誌やラジオなどでもボーカルの発言が一番取り上げられますし、メディア活動を通してどんどんボーカルと他のメンバーとのヒエラルキーが出来上がっていきます。

だから、そういった環境下に置かれると、ヒエラルキーで一番下の地位にいる人間がいろいろ言われるようになってきます。

「もっとこうしろ」
「オマエはダメだ」

とか。
マネージャーやプロデューサーがいれば、そういう人間がバンドメンバーに言ってきます。

ライブや売り上げが悪かった時には、最下位のメンバーが目の敵にされて、他のメンバーやマネージャに責められますから、本人もどんどん「自分がダメだからこういう結果になったんだ」「もっと頑張らなきゃ」とどんどん自分を追い込んでいきます。

そういったことが進行していって、精神的に破綻していってしまうわけです。

最初のうちはステージ上では平然と振る舞って、裏でがっくり病んでる状態という感じでお客さんには気づかれないように頑張りますが、いずれ限界がきてステージに立つことが困難になってしまいます。

その結果、「体調不良」という形でライブ活動が止まります。
ライブ活動を止めても、バンド内の歪んだヒエラルキーが解消されなかった場合、解散や活動休止という最悪のケースも待ち受けています。

ファンに追い込まれる

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ファンはアーティストを元気づける存在でもありますが、それと同時にアーティストを精神的に追い詰める存在であります。

バンド業界、アイドル業界、どの現場を見ても、ほとんどのファンはアーティストを元気づける存在であることは間違いありません。
ですが、やはりどの現場をみてもアーティストを精神的に追い詰める存在はいます。
せいぜい1~3%くらいですが、1人いればアーティストを精神的に追い込むには十分です。

基本的にアーティスト側から、お客さんに何を言われても、何をされてもノーとは言えません。

「いやだな」「そういうことはやめてほしい」と心では思っていても、「ありがとう」「嬉しい」としか言えないんです。
この辺は、ファンのマナー、思いやりに委ねるしかないというのが今の音楽業界の現状です。

そうやって、心で思っていることは反対のことを続けてしまうから、どんどん精神的に苦しくなっていきます。

インディーズバンド、地下アイドルなどが活動の拠点とするライブハウスのような会場であれば、それほどキャパシティもないので、ステージ上からでもそんな迷惑なファンの存在に気づきます。

ステージに立つ前に見かけたり、ステージに立っている時に見かけるとそれだけでステージに専念できなくなったりします。

「また、あのお客さんと話さなきゃいけないな」
「また、いやなこと言われたりされたりしたらいやだな」

とライブする度に、精神的に苦しめられていくわけです。

アーティスト活動をしていて、精神的に追い込まれていく状態ってのはこういう過程なんです。

その嫌なお客さんがライブに来ても来なくても、「来るんじゃないか」という恐怖を覚え、いやなこと言われたりされたりしなくても「言われるんじゃないか」「されるんじゃないか」という状態が続きます。

現実にライブの度に、SNSでコミュニケーションする度に、嫌な想いをさせられるかどうかではないんですよね。
一度、そういう経験をすると、それがトラウマとなって、似たような状況を経験するだけで精神的に苦しんでいくんです。

これはライブハウス店長から直接聞いた話ですが、物販でファンとコミュニケーション中に過呼吸で倒れたアイドルがいたみたいで、もしかしたらそんな恐怖に怯えながら接していたのかもしれませんね。

体調不良になる前に

ファンとしてはどうにかしてあげたいと思う方も多いでしょうが、正直、改善されることはないでしょう。

メンバー内部のことには関わることができないのはもちろん、こういったコラムを書いていても感じますし、実際に現場を見てきてもそう感じます。

「自分がそうなってないか?」
「気をつけよう」

と少しでも考える頭のある人は、アーティストに精神的苦痛を与えることがないファンだからです。

アーティストを精神的に苦しめるファンほど、こういった記事だったり、アーティストの発言をスルーして、自分の都合の良いように解釈しますから。

「サービスが過剰化によって消費者のマナーが崩壊している」という時代的な原因もありますが、昔からそういったファンは少なからず存在しますし、人前に立つという職業である以上、それは避けられない問題です。

現在、ミュージシャンにもイップス(精神的な原因により演奏などが思い通りにできなくなる症状)が急増していますが、上に挙げたメンバー同士の関係やファンとの関係も大きな要因になっていると僕は考えています。

公表されていない方のほうが多いですが、せっかくの技術や才能があるのに、イップスによって活動を休止しているアーティスト、活動ができなくなったアーティストが数多く存在しています。

これからアーティストが生き残っていくのに一番重要になってくるのは、技術でも才能でもなく精神力の強さでしょう。

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